平成27年12月定例会 一般質問

2番(今城誠司君) 自由民主党、宿毛市・大月町・三原村選挙区選出の今城誠司でございます。議長から発言のお許しをいただきましたので、初めての一般質問を行わせていただきます。極度の緊張によりまして十分な質問にならないことを心配しておりますが、歴史あるこの議場の初登壇において、改めてその責任の大きさに身が引き締まる思いであります。先輩議員の皆様並びに尾崎知事を初め執行部の皆様とともに、高知県の発展と県民の皆様のための政策実現に向けて全力で取り組んでいく所存でありますので、格別の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

 まずもって、尾崎知事の3期目、無投票による再選、まことにおめでとうございます。2期8年間、人口減少のもたらす負のスパイラルとの戦い、南海トラフ地震を初めとする数々の自然災害から県民を守るという2つの根本的課題に真正面から向き合い、確実に成果を上げた県民の評価が、無投票当選であると思っております。開会日の力強く意欲にあふれたすばらしい提案説明をお聞きいたしまして、この知事により、本県は自然災害に負けず将来ビジョンを必ず達成できることを確信している一人であります。私も、微力ではありますが、高知県勢の浮揚に向けて、県民の代表の一人として取り組んでいきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 それでは、質問に入らさせていただきます。

 初めに、南海トラフ地震対策についてお伺いをいたします。
 本県では、南海トラフ巨大地震への備えが喫緊の課題となっております。地震による揺れや津波から守る対策を最優先に、建物の耐震化、津波から命を守るための避難路・避難場所の整備、津波による被害を軽減するための海岸堤の整備を順次進められております。
 東日本大震災を教訓として、緊急に実施する必要性が高く即効性のある防災・減災対策を進めるための全国防災対策費及び緊急防災・減災事業債は非常に有効な制度となっており、本県の地震・津波対策事業の促進が図られましたが、平成27年度には全国防災対策事業制度が、平成28年度には緊急防災・減災事業債制度が終了することになっており、今後の対策推進への影響が懸念をされております。
 今後においても、災害に強い県土づくりに向けた海岸・河川堤防等を初めとする施設の地震・津波対策の促進は不可欠でありますが、県が管理する海岸の73%でL1津波に対して堤防高が不足している状態であります。また、津波遡上が想定される河川は168河川あり、このうち153河川、91%で堤防高が不足していると報告されております。これらの対策を実施するには莫大な予算が必要であり、限られた時間と財源の中で効率的かつ効果的に整備を進める必要があり、人口や経済・社会インフラが集積する高知市を中心とする県中央部で現在、重点的に海岸堤防の耐震補強が進められております。
 県西部では、長期浸水が予想される宿毛市の松田川、新田海岸などで本年度から堤防の地震・津波対策に向けて事業着手しておりますが、その事業進捗について今後の予算の確保は大きな課題となります。県土の強靱化と防災・減災対策を加速化するため、海岸・河川堤防の地震・津波対策を推進する予算の確保についてどのように取り組んでおられるのか、知事に御所見をお伺いいたします。
 次に、助かった命をつなぐ対策ですが、最大クラスの地震が発生した場合、揺れによる建物倒壊や津波からの避難、長期浸水等により、一定期間避難所での生活が必要になりますが、県全体ではいまだに約8万人分の避難所収容能力が不足しており、避難所の確保が課題であります。このため県では、避難所の耐震化や新たな避難所の指定に取り組むなど避難所の確保の取り組みを進めるとともに、市町村の圏域を超えた広域での避難ができるように県内を4つのブロックに分けて検討に入ったとお聞きをしております。
 市街地のほとんどが長期浸水の影響を受ける宿毛市においては、発災1週間後に約5,000人の避難所が不足すると予想されております。長期浸水により道路網もほとんど寸断をされ、排水だけでも長期日数を要し、ライフラインの復旧には相当期間が想定をされております。
 しかしながら、できるだけ自宅に近いところで避難生活を送り、復旧に取り組みたいと思うのが住民感情であります。県境近くの市町村にとっては隣接県の市町村との交流も昔から深く、県下のブロックへの避難よりも、大規模災害時には県境を越えた一番近くの自治体への避難の仕組みも有効と考えます。
 そこで、隣接県への避難も含めた広域避難について危機管理部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、道路啓開についてお伺いをいたします。
 今年2月に高知県道路啓開計画暫定版が公表をされました。発生頻度は低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの地震・津波L2の想定で算定したものでありますが、啓開に長期間を要するルートの存在が明らかになりました。長期浸水と津波による落橋が予想される幡多地域の啓開日数は、大月町役場で67日、土佐清水総合公園で42日、宿毛市役所で28日、三原村役場で10日と県下でも最も厳しい日数を要する地域の一つとなっており、被災時の地域全体の孤立に危機感を持っております。啓開ルートの選定と啓開日数の短縮に向けての対策が求められておりますが、短期的な対策では2日間程度の短縮しかできず、長期的な対策による道路整備の促進が今後の大きな課題であります。
 大月町及び宿毛市の南部へのルートの確保対策--津波の影響を受け通行が困難となる国道321号の機能を補充するルートとして、内陸部から市町村をつなぐ高知西南広域道路の未整備区間8.2キロのうち7キロを県道中村宿毛線のバイパスとして整備する事業に着手されたことは大変評価をしているところでありますが、残り1.2キロについては幅の狭い道路であり、橋梁の老朽化も著しく、揺れによる落橋の想定がされており、長期間の啓開日数がかかる区間となっており、この区間の整備計画については見通しが立っていない状況であります。
 また、宿毛市街地及び宿毛市西部地区については、緊急輸送道路が全て長期浸水域により寸断をされ、機能する道路も一本もなく、道路啓開日数の算定できない状況にあり、長期浸水対策を考慮なしの現状での浸水の解消までの日数は約2カ月を要し、大きな課題となっております。
 四国横断自動車道の宿毛市-愛南町間が本年度計画段階評価前の調査に着手をし、整備促進に一歩前進をしたわけでありますが、このルートの決定に当たっては、1次防災拠点港でもある宿毛湾港と連携したルートで、長期浸水の影響を受けない路線で市街地の山側を通るルートを選定して、一日も早い事業化に向けて取り組む必要性があります。
 これら2つのルートの道路整備促進により啓開日数も大幅に短縮が可能でありますが、長期的な対策としての道路整備による啓開日数短縮についてどのように取り組んでいくのか、土木部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、今年度より、応急期の対策の根幹である速やかな道路啓開について実効性を高める取り組みとして、啓開区間ごとの重機や燃料の確保の検討を進め、スムーズな道路啓開に取り組むために道路啓開手順書の作成に取り組まれていると聞いております。
 その内容についてでありますが、作業上一番大きな課題となる遺体、貴重品等が発見された場合の取り扱い方法、また消防・警察との連携・役割分担など関係機関との調整等の手順を定めるなど、より実効性の高い道路啓開手順書が必要と思われますが、現在検討中のその内容について土木部長に御所見をお伺いいたします。
 次に、四国の4県ごとの啓開計画の策定では他県の情報が不明であり、県境をまたぐルートについては各道路管理者間が連携して道路啓開を行う必要があります。
 4県の関係機関が連携して東日本大震災で展開をされた、くしの歯作戦の四国版について、対象道路の決定、優先順位、指示系統を、関係機関と情報を共有して道路啓開計画に取り組む必要があると考えますが、四国の広域道路啓開計画について現在までどのような取り組みをなされているのか、土木部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、第2期産業振興計画の実行3年半の取り組みの総括についてお伺いをいたします。
 生産年齢人口が減少を続ける中、各分野で地産外商が大きく前進し、長年にわたって減少傾向にあった各分野の産出額が上昇傾向に転じていることは、産業振興計画の成果として大変評価できるものであります。
 この産業振興計画をさらにパワーアップさせ、さらなる挑戦への重点項目を設定し、より力強い拡大再生産のループに乗せる次期第3期産業振興計画について、これまでの取り組みをどう評価した上で策定、実行に取り組んでいかれるのか、新たな柱となるプロジェクトについて知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、各分野の課題に対してお伺いをいたします。
 農業分野については、農業産出額1,000億円以上の目標に対して見込み額980億円と目標には届かないものの、高齢化によって農家戸数が減少する中、生産性の向上、販路の開拓、新規就農者の確保の取り組みにより農業産出額を一定維持できていることは評価をできるとされておりますが、目標未達成の要因と今後の取り組みについて農業振興部長の御所見をお伺いいたします。

 農業分野の主要な施策の総括において、土佐和牛、土佐ジロー、土佐はちきん地鶏の飼養数が計画スタート時より減少し、畜産の振興については目標にはほど遠い結果となっております。また、中山間に適した薬用作物の振興について、ミシマサイコの栽培面積も計画スタート時より減少をしております。これらの原因についてどのような課題があるのか、あわせて農業振興部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、林業分野において、木材・木製品製造出荷額190億円以上の目標に対して、平成26年の速報値では204億円と目標額を達成している状況にあります。一方で、原木生産量については、計画前より飛躍的に増加をしていますが、本年度の見込み量が67万5,000立米と目標値の72万立米にはわずかに届かないとされております。この目標未達成の原因と今後の取り組みについて林業振興・環境部長の御所見をお伺いいたします。

 林業分野の主要な施策の総括において、森林経営計画の策定による集約化の促進に取り組まれておりますが、本年度15万5,000ヘクタール計画策定の目標に対して、県内の全ての森林組合を初め42事業体等計73団体で計画策定に取り組んだが、7万2,000ヘクタールと半分以下の達成率にとどまっております。この計画策定が進まなかった原因、今後どのように取り組んでいくのか、林業振興・環境部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、水産業分野において、沿岸漁業生産額370億円以上の目標、水産加工出荷額170億円以上の目標は十分達成されており、これまでの取り組みを評価するとされております。この成果を上げた要因について水産振興部長の御所見をお伺いいたします。
 養殖業の振興として、クロマグロの生産額が大きく伸びてきておりますが、今後のさらなる拡大には人工種苗生産技術の早期確立が喫緊の課題とされております。昨年より県内マグロ養殖業者、種苗生産企業と県で連携した人工種苗生産技術開発に取り組んでおりますが、昨年度は800万粒の受精卵で8割のふ化率、種苗生産過程での死亡原因を特定するための各種試験を実施し、沖出しできたのは49匹と報告をされております。
 今年度は初期の生存率が課題でありましたが、どのような目標値でどのような成果があったのか、また今後の生産技術開発の取り組みとしてどんな課題があるのか、水産振興部長の御所見をお伺いいたします。
 水産業の課題として、担い手不足があります。漁業就業者数は、平成15年に5,824人、平成20年は4,905人、平成25年は3,970人と激減をしております。
 担い手対策としての法人の参画等による沿岸漁業生産体制の強化がありますが、現在のこの取り組み状況について水産振興部長の御所見をお伺いいたします。

 次に、商工業分野については、目標の製造品出荷額等5,000億円以上に対して、経済産業省が発表した平成26年の製造品出荷額等の速報値は5,248億円を超え、平成25年より既に目標を達成しており、ものづくり地産地消・外商センターによるものづくりへの支援体制の充実、防災関連産業の振興等の効果により計画を上回る成果となっております。
 有効求人倍率も史上最高の1.0倍を記録し経済全体がよい方向に向かっており、評価できる成果となっております。しかしながら、事務的職業の求人倍率は10月現在0.26倍と、その求人倍率の低さが課題であります。
 コンテンツ産業やコールセンター、バックオフィスなどの事務系職場については若者の就職希望が多い分野であり、その集積に向けた企業誘致について、これまでの実績と今後の取り組みについて商工労働部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、観光分野についてでありますが、目標の県外観光者数400万人以上を平成25年、26年と2年連続で達成し、観光消費額も3年連続で1,000億円を超え、400万人観光が定着し、リピーターの順調な拡大という好循環につながっております。幡多地域においても、「楽しまんと!はた博」終了後も宿泊客が落ち込むことなく推移をしております。これらの成果を上げている要因について観光振興部長に御所見をお伺いいたします。
 次に、移住促進による地域と経済の活性化についてでありますが、昨年度の移住者数403組、県移住ポータルサイトのアクセス数32万1,873件、移住相談者数3,458人、高知家で暮らし隊の新規会員登録者数1,398人と、一定の成果が評価をできるものであります。今年度の目標であります年間500組以上は達成できる見込みと報告がされております。課題として、移住者のフォローを行う地域移住サポーターが本年度目標値の300人に対して51人と、移住者の伸びに対してまだまだ不十分とされております。
 移住された方に地域で住み続けていただけるためには、移住後もそれぞれに地域で気軽に相談できる体制整備は重要であると考えますが、現在の課題と今後の展開について産業振興推進部長に御所見をお伺いいたします。

次に、集落活動センターについてお伺いをいたします。
 地域住民が主役となって地域が抱える課題を解決したり住民の皆さんの思いややりたいことを実現するため、地域で支え合い、助け合う仕組みづくりや地域でお金が回る仕組みづくりを目指す集落活動センターの取り組みを推進しており、県内では現在18カ所の集落活動センターが立ち上がっております。本年度内に30カ所程度の立ち上げに取り組んでおり、将来的には県下全域に130カ所のセンターの開設を目標に推進をしております。
 現在立ち上げを準備している地域は、日々の暮らしの不安や地域の魅力を住民同士で話し合い、地域住民がみずから取り組むための将来ビジョンづくり、具体的な取り組みのための組織づくりの議論がされた上で立ち上げとなるわけですが、中心メンバー、地域おこし協力隊のそれぞれの思いの違い、危機感の違いにより、約3年協議してきた地域でセンター設立に行き詰まる地域もあったと聞いております。
 住民がいかにまとまりやる気を出していくかが課題であると思いますが、目標である130カ所の開設に向けて集落活動センターの拡大をさらに加速するためにどんな工夫をされて、関係者間の合意形成に向けてどのように取り組んでいくのか、中山間対策・運輸担当理事に御所見をお伺いいたします。

次に、公共交通対策についてであります。
 土佐くろしお鉄道中村・宿毛線についてでありますが、輸送人員は平成11年に133万3,000人をピークに平成26年には64万人にまで減少し、厳しい経営状態が続いております。県と沿線市町村では、第4次基金造成として平成25年度から5年間で10億円を造成中でありましたが、去る11月25日、土佐くろしお鉄道中村・宿毛線運営協議会の臨時総会が開催をされ、本年度末の経営安定化基金の残高が3,500万円となる見込みの中、運行継続のためにはさらなる経営改善と現在の平成29年度末までの第4次基金造成計画の見直しが必要ということで、この経営助成を受けてもまだ2年間で約2億円の資金不足が予想され、今回のこの2億円の積み増しが承認されました。単年度で約3億円の赤字が予想されており、基金からの支援の継続がなければ運行できない状態となっております。
 土佐くろしお鉄道においても、安全を確保した上で、さらなる聖域なき経費の削減に取り組んでおり、利用促進についても社内でプロジェクトチームを立ち上げて取り組んでおりますが、今後、地域の人口はさらに減少することが予想され、また平成30年には片坂バイパスの開通が予定をされており、高速道路の延伸の影響による利用者の減少という負のスパイラルに対して、鉄道という地域に必要とされるインフラをどういう形で残していくのか、幡多地域の大きな課題となっております。
 中村・宿毛線の今後の方向性と、沿線自治体と協力して今後具体的にどのように取り組んでいくのか、中山間対策・運輸担当理事にお伺いをいたします。
 次に、県内で唯一の県外と結ぶ宿毛-佐伯のフェリー航路についてであります。
 平成16年12月15日に運航が再開をされたわけでございますが、運航再開に当たり、船体の購入、修繕等に約2億2,000万円を超える支援をしております。当時、運航会社はとりあえず1隻の運航で3年後には2隻目の就航を目指したいということで、1隻での運航開始でしたが、11年たった今でも当時の船1隻での運航となっております。この船の老朽化も著しく、また航海時間も燃料費節約のために3時間10分程度かかり、1日3便だけの利便性の悪さもあり、利用者の減少が著しく進んでおります。
 県では、モーダルシフト、いわゆるトラック輸送に対する補助ということで、フェリー利用促進特別対策事業費補助金としてフェリー航路の利用促進に取り組んでおりますが、どのような支援が有効であるのか、宿毛-佐伯航路の維持について課題をどのように認識をされているのか、中山間対策・運輸担当理事に御所見をお伺いいたします。

 次に、へき地医療確保についてであります。
 地域に根差した中核病院としての役割の幡多けんみん病院においても、呼吸器科、眼科、精神科において常勤医が不在となっており、さらに昨年より5名いた外科医が3名に減少し、緊急時の対応が難しくなる場合も想定をされております。医師の確保は幡多地域全体の課題となっておりますが、県内唯一の離島診療所があります沖の島は、厳しい地理的条件のもと、人口減少や高齢化が著しく進んでおり、基幹産業であります水産業や観光業の停滞など地域をめぐる現状は依然として厳しい状況にあります。
 この沖の島で運営をされております沖の島へき地診療所における年間延べ患者数も、平成24年度は1,944名、平成25年度は1,733名、平成26年度は1,606名であり、1日の平均患者数は、平成24年度で9.4人、平成25年度が9.0人、平成26年度が8.5人と、患者数は減少傾向にあります。常勤医1名で母島と弘瀬の2つの診療所で週4回診療していた体制を、昨年度より大月病院や幡多けんみん病院などから医師を1泊2日で週2回派遣することで対応をしていただいておりますが、現在常勤医は不在となっております。市職員の2名の看護師が配置をされておりますが、交代で土日も島に残り島民の不安に対応している状態であります。従来どおりの週4日の診療を確保していただいておりますが、へき地医療協議会に所属をしてへき地の医療に従事する医師の減少により、週4日のこの診療日数も削減されていく可能性があります。
 これは沖の島へき地診療所だけの課題ではなく、県下全てのへき地診療所の課題でありますが、今後へき地診療所の診療体制、医師の確保に対してどのように取り組んでいくのか、健康政策部長に御所見をお伺いいたします。

次に、建設業活性化プランについてお伺いをいたします。
 県内の建設業は、社会資本の整備と維持管理の担い手であるとともに、大規模災害発生時には緊急輸送路の道路啓開、応急復旧活動の実施といった県民の安全・安心の確保に対する重要な役割を担っており、さらには地域の雇用や経済を支える基幹産業でもあります。
 しかしながら、長年にわたる公共事業の大幅な削減に伴い、地域の中小の建設業者は、従業員数、保有重機を削減し、異業種への参入へも努力をし、経営の維持への努力をしてまいりましたが、若年入職者の減少に伴い就業者構成が高齢化し、退職者の増加により将来にわたって人手不足の深刻化、重機の保有台数の減少などによって業界全体の施工能力が低下した状態でありました。そのような中、近年の建設投資の大幅な増加に伴い、全国的に入札の不調、不落の増加が課題となっております。
 本県の土木部の建設工事における不調・不落件数は、平成24年度が3.6%、平成25年度が9.4%、昨年度が9.8%と増加傾向であり、さらなる取り組みが求められております。不落、不調の具体的な対策として柔軟な工期の設定があります。
 余裕期間を設定し、受注者にとって効率的な施工時期の選択が可能となるフレックス工期の導入をすることで効果があると思われますが、その取り組みについて土木部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、工事の平準化への取り組みについてでありますが、6月定例議会での久保議員への答弁において、本年度は端境期対策として過去5年間で最高の約111億円の十分な工事量で取り組んでいる、しかしながら業者側から見た効果は地域によって差があるといったアンケート結果も出ており、今後さらに多くの業者に効果を実感できるような取り組みが必要とされていると答弁をされておりました。
 今議会にも来年度ゼロ県債の予算も昨年並みに提案をされております。来年度の端境期対策に取り組むに当たり、なかなか難しい課題であるとは承知をしておりますが、地域ごとの事業量の差も考慮をしてどのように取り組んでいくか、土木部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、建設業人材確保の促進についてであります。高知県の有効求人倍率は9月、10月と過去最高の1.0という数字に到達をしておりますが、建築・土木技術者等については有効求人倍率が10月現在3.7倍と極めて高い数字となっており、建設業者が採用に積極的なのに対して求職者が極めて少ないという状況が続いております。また、中小の建設業者が新卒者を採用しようとしても、県、市町村の公務員の採用数も多くなっており、県内の業者は有望な人材の確保が難しい状況が続いております。また、県の土木職員採用試験についても受験者数が少なくなっており、本年度も特別募集を実施している状況もあります。
 改正公共工事品確法、改正公共工事入札契約適正化法、改正建設業法のいわゆる担い手3法について、国土交通省は本年度を本格運用元年に位置づけて担い手確保に取り組んでおりますが、本県もその趣旨を踏まえて、建設業活性化プランをバージョンアップしての取り組みは大変評価をしているところであります。建設業の人材確保の促進についての取り組み状況はきのうの答弁の中で十分お伺いをいたしましたので、引き続きしっかりと取り組んでいただくことをさらに土木部長に要請いたしまして、私の第1問とさせていただきます。


◎知事(尾崎正直君) 今城議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、県土の強靱化と防災・減災対策を加速するため、海岸や河川堤防の地震・津波対策を推進する予算の確保についてどのように取り組んでいるのかとのお尋ねがありました。
 南海トラフ地震が発生すれば、地盤の液状化や沈降に加え、大規模な津波により広域的な浸水被害や長期浸水が予想されているところであります。このような被害から県民の皆様の命と財産を守るため、海岸や河川の堤防の地震・津波対策に必要な予算の重点配分について、さまざまな機会を捉え、関係省庁に政策提言を行ってまいったところであります。
 その結果、高知海岸では、直轄事業により平成24年度に仁ノ工区、平成26年度には新居工区で堤防の耐震対策が完了し、現在、戸原・長浜工区や南国工区で集中的に工事が行われております。また、河川では、高知市市街地の長期浸水を防止するため、河川堤防や排水機場の耐震対策を加速させ、来年度には鏡川と江ノ口川で囲まれた地域の対策が完了する見通しとなっているところであります。
 一方、浦戸湾での三重防護による地震・津波対策や宿毛市での長期浸水対策など今後重点的に整備を進めるべき海岸や河川が、まだまだ多く残されている状況であります。これらの整備には予算の確保が重要でありますことから、今後も引き続き全国防災対策費にかわる新たな財政支援制度の創設など国に政策提言を行ってまいります。あわせて、本県も参加しております南海トラフ地震対策を進める9県知事会議の活動なども通じまして、県土の強靱化に向け全力で取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
 次に、第3期産業振興計画について、これまでの取り組みの評価も踏まえ、新たな柱となるプロジェクトについてどうか、お尋ねがございました。
 これまで産業振興計画の取り組みにより地産外商が大きく進み、長年にわたって減少傾向にあった各分野の産出額などが生産年齢人口の減少にもかかわらず上昇傾向に転じてきたところであります。また、各分野で一定の雇用が生まれ、本年9月には高知県として初めて有効求人倍率が1.0倍となるなど、経済全体としてはよい方向へ向かっているのではないかと感じているところであります。
 他方で、正社員の有効求人倍率はいまだ0.5倍程度にすぎず、また地域間格差も大きいという現状に鑑みましても、第3期の計画では地産外商の取り組みをさらに強化するとともに、その成果をより力強く拡大再生産の好循環につなげていく、その取り組みを強化する必要があると考えているところでございます。
 そのため、まず地産外商の取り組みのさらなる強化としまして、主たる方向性についてそれぞれお話をいたしますと、第1次産業では、新技術の導入により生産性を上げる取り組みを進めるとともに県内の関連事業者間の連携を強化し、6次産業化のさらなる推進を図っていきたいと考えています。加えて、ものづくりに関しましては、新たなビジネスプランづくりから生産管理、販路開拓までの一貫した支援策、こちらを強化していきたいと考えています。その上で、外商に関しましては、地産外商公社、ものづくり地産地消・外商センターの外商支援についてさらなる全国展開を図るとともに、特に第3期においては輸出促進の取り組みを本格化させていきたいと考えているところであります。
 さらに、観光分野では、歴史を中心とした博覧会の開催や、歴史資源と地域の食、自然などが一体となった周遊ルートづくりなどに取り組むとともに、外国人向け旅行商品づくりの抜本強化やよさこいを戦略的に活用したプロモーションなど、国際観光を強化するなどしてまいります。さらに、事務系職場のさらなる充実、もっといえばコンテンツ産業の集積化、こういうことを本県に若い人々に残ってもらうためにも大いに力を入れて取り組んでいく、これが第3期の大きな課題だと考えています。
 次に、地産外商の成果を拡大再生産の好循環につなげていくための取り組み、この取り組みが極めて重要だと考えておりまして、地産外商の取り組みが一定進んできたこと、これを一過性に終わらせず、本当の意味で力強い経済の発展につなげていくため3つのポイントで取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
 1つ目は担い手の育成・確保であります。施設園芸の研修用ハウスの拡充や小規模林業に従事しようとする方への支援の強化など、新たな担い手を、より参入しやすくする取り組みを進めていきますとともに、林業学校への専門コースの開設など人材育成を強化することによって担い手の裾野を広げてまいりたいと考えています。加えて、事業承継・人材確保センターにおいて企業の求人ニーズに応えられる中核人材の掘り起こしとマッチングを一層強化していくとともに、地域間競争が激しくなっております移住につきまして、産地体験ツアーなどを数多く実施するなどにより各産業分野の担い手につながる志移住の取り組みを一層推進していきたいと考えているところであります。
 拡大再生産を図るための2つ目の取り組み、これは産業クラスターの形成であります。地域の基幹産業である第1次産業などを中心として、製造業や観光などさまざまな産業の集積を地域地域で生み出していくことは、地域に残りたいと願う若者の多様なニーズに対応した第1次産業から3次産業までの多様な仕事を地域地域に数多く生み出していくことにつながります。こうしたクラスター形成の呼び水となる一連の政策パッケージを用意し、戦略的な取り組みを進めてまいりたいと、そのように考えておりますし、これに企業誘致の取り組みを組み合わせることで、より一層の力強い経済状況を地域地域につくっていきたいと考えているところであります。
 そして、拡大再生産のための取り組みの3つ目は起業の促進であります。地域の持続的な発展のためには、新たな起業が活発に展開される土壌をつくり出していくということが極めて重要であると考えております。持続するためにも常に改善され続けていかなければならないと、そういうことなのだろうと、そのように考えております。このため、産学官民連携センターココプラを核といたしまして社会人の学びの機会をさらに充実させますとともに、産学官民の連携を一層深め、アイデアを出し合いながらビジネスプランを磨き上げる連続講座、アイデアソン、ビジネスプランコンテストなどといった機会をふやすなどして、起業を志す方々を応援する仕組みをもう一段強化していきたいと考えているところであります。
 これらの取り組みによりまして地産外商の取り組みをより大きくし、その成果を拡大再生産に確実につなげていくように取り組んでまいりたいと考えております。もう一段踏み込んだ対応を図っていくことで、これをぜひともなし遂げ、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県を実現するよう、私自身みずから先頭に立って総力を挙げて取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
 私からは以上でございます。


◎危機管理部長(野々村毅君) 南海トラフ地震に関して、隣接県への避難も含めた広域避難についてのお尋ねがございました。
 最大クラスの地震が発生した場合、一定期間にわたって確保しなければならない避難所の収容能力を発災1週間後の避難者数である25万人分と想定して対策を進めております。現在確保できているのは約21万人分であり、約4万人分が不足していますが、耐震化されていない避難所や集会所の耐震化、学校の教室利用などを進めることで、県全体では不足分を確保できると考えております。
 しかしながら、市町村単位では過不足が想定されることから、4つのブロックで市町村域を越えた広域避難の検討に取り組んでおり、現在のところ、安芸、高幡、幡多の3つのブロックにおいて、相互協力についての合意が得られています。さらに、幡多ブロックを例にとってみますと、宿毛市や土佐清水市で避難所が不足している状況ですが、ブロック全体ではこれを受け入れても現時点で2,000人以上の収容能力の余裕があります。また安芸・高幡ブロックについても同様に、おおむねそれぞれのブロック内で避難が完結できると考えています。
 なお、四国4県では広域応援に係る協定を結んでおり、本年11月にはマニュアルも策定し、この中で県境を越える広域避難についても基本的な事項を定めております。県境に接する地域においては県内の避難所への移動が困難な場合も想定されますので、隣接する県における避難所対策の進捗状況も見ながら、県境を越えて避難するケースについても関係自治体と協議してまいりたいと考えています。

◎土木部長(福田敬大君) まず、長期的な対策としての道路整備による啓開日数の短縮についてどのように取り組むのかとのお尋ねがございました。
 南海トラフ地震発生直後に迅速かつ円滑な救援活動や物資輸送を行うためには、速やかな道路啓開が不可欠であります。そのため、優先して啓開すべきルートやその作業手順などを定めた道路啓開計画の策定を進めており、本年2月には啓開の優先度が高いと判断されるルートの啓開日数を高知県道路啓開計画暫定版としてお示ししたところです。その中で、啓開に長期間を要するルートの存在が明らかになったことから、啓開日数の短縮に向け、橋梁の耐震工事などの短期的な対策や四国横断自動車道の整備促進などの長期的な対策に取り組んでおります。
 その長期的な取り組みの一つであります高知西南広域道路の未整備区間8.2キロメートルにつきましては、国道321号の代替路として重要な路線と認識しており、平成25年度には関係する市町村との工事の分担などを定めた確認書を締結しているところです。その確認書に基づき、平成26年度に県が担当する県道中村宿毛線の7キロメートル区間を事業化いたしました。残る1.2キロメートル区間については宿毛市と大月町が整備する区間であり、県担当区間の設計が完了した後、ルートやスケジュールについて検討することとしております。今後も引き続き市町村と連携しながら、着実に整備ができるよう努めてまいります。
 また、四国横断自動車道の宿毛-内海間につきましては、これまでも愛媛・高知交流会議において1次防災拠点港である宿毛湾港を経由する海側ルートを要望することで両県が一致し、国にその必要性を訴えてきました。その結果、本年度からこの区間において計画段階評価を進めるための調査が行われております。今後は、宿毛市の防災計画などに必要となるルート帯やインターチェンジの位置を示していただくため、早期に計画段階評価が完了できるよう、地域の意見集約など国に協力してまいります。
 次に、関係機関との調整の手順を定めるなど、より実効性の高い道路啓開手順書が必要と思われるが、現在検討中の内容についてお尋ねがございました。
 南海トラフ地震発生直後に速やかに道路啓開作業を行うため、国、県、警察、消防などの行政機関に加え、実際に啓開作業を行う建設事業者や電力、NTTなどのライフライン事業者の方々と協議を重ね、道路啓開手順書の素案を昨年度策定したところです。その具体的な内容につきましては、情報共有体制の確立や規制除外車両の事前申請など事前に準備すべき事項や、道路上の遺体、貴重品、放置車両、倒れた電柱などの取り扱い方法について定めることとしております。
 現在、素案に対する御意見を取りまとめているところであり、今後は、これらの御意見をもとに再度関係者と協議を行い、年度内を目途により実効性の高い道路啓開手順書の作成に取り組んでまいります。
 次に、四国の広域道路啓開計画について、現在までどのような取り組みをしているのかとのお尋ねがございました。
 南海トラフ地震発生後に甚大な被害が想定されている本県においては、県外からの応援部隊や物資の受け入れ、重症患者の広域医療搬送のために高知自動車道など広域的な幹線道路ネットワークの早期の通行確保が重要になります。
 四国の広域的な道路啓開については、本年2月に四国4県の道路管理者、警察、建設業協会などが参加した四国道路啓開等協議会が設立されました。この協議会では、地震発生直後に優先して啓開すべき幹線道路や、関係機関との連絡体制などを定めた四国広域道路啓開計画案の策定に取り組んでおります。
 これまでも、四国広域道路啓開計画案と高知県道路啓開計画との整合を図りながら策定を進めてまいりました。具体的には、高知自動車道や国道33号などに加えて、国道381号などの県境をまたぐ県管理国道は県の計画において優先的に啓開する路線として位置づけており、広域計画においても同様の位置づけとなるよう検討されております。今後も、このような方針に基づき、年度内を目途に実効性の高い道路啓開計画として取りまとめる予定です。
 次に、不調・不落対策としてのフレックス工期導入の取り組みについてお尋ねがございました。
 国土交通省においては、受注者が一定期間内に工事開始日を設定でき、工事開始日までは技術者配置を要しないものとするフレックス工期が試行されているところです。
 県においては、現時点で制度としてのフレックス工期の導入は行っておりませんが、昨年度には、年度末に災害復旧工事の発注が集中したことから、不調、不落を防止するための対応を行いました。具体的には、通常は契約から30日以内の工事着手を求めるところ、最大60日後までの間での工事着手を認めるとともに、着手までは技術者の配置を要しないとするなど、受注者側の事情に配慮した柔軟な発注を行ったところです。こうした取り組みの目的や効果はフレックス工期と同様であると考えておりますが、フレックス工期も含めさまざまな取り組みの可能性を検討しながら、不調・不落対策を講じてまいります。
 最後に、端境期対策に取り組むに当たり、地域ごとの事業量の差も考慮してどのように取り組んでいくかとのお尋ねがございました。
 建設工事の発注に当たりましては、国や市町村など他の発注機関も含め地域での工事の実施状況の把握に努めながら、円滑な実施に向け、発注時期など必要な調整を行っております。
 端境期対策として地域ごとの事業量の差を調整することは、もともとの事業量に差があることや地域によって受注を希望される事業者の企業規模や数にも差がありますことからなかなか難しいと考えますが、端境期対策においては、ゼロ県債による事業の実施など可能な範囲で配慮してまいりたいと考えております。
 またあわせて、できるだけ多くの事業者の皆様に取り組みの成果を実感していただけるよう、市町村に対してもさまざまな機会を捉えて引き続き端境期対策の要請をしてまいります。


◎農業振興部長(味元毅君) 産業振興計画に関しまして、まず農業産出額が目標に届いていない要因と今後の取り組みについてのお尋ねがございました。
 その要因につきましては、特に産出額の約6割を占める野菜における栽培面積の減少や、天候不順等による出荷量の伸び悩みによるものと考えております。これまでの学び教えあう場による栽培技術の向上などによりましてナスやピーマンなどで反収が伸びてきた品目がある一方で、オクラや青ネギなど露地品目を中心に、高齢化による離農などが原因で栽培面積の増加予測に反しまして面積の減少が見られております。
 こうした中、生産力の向上と産地の強化を図るためには、オランダから学んだすぐれた環境制御技術を本県の気候や生産条件に適合させつくり上げました次世代型こうち新施設園芸システムを県内全域へ普及させることが大変重要になってまいります。このシステムを導入することで、例えばナスやピーマンなどでは、既存ハウスでは収量が約3割程度増加をし、さらに軒の高い次世代型ハウスでは5割程度の増収が可能になると考えております。このため、まず本県の農業生産を支える家族経営体の既存ハウスへの環境制御機器の導入を一層進め、産地全体の生産性を底上げしてまいります。あわせて、規模拡大への意欲がある生産者などに対しましては、より大型の次世代型ハウスの整備を支援してまいります。
 その上で、増産した農産物を売り切るために、園芸連を通じた基幹流通をさらに強化しながら、外食などの業務需要や輸出を含めた販路拡大の支援を強化してまいります。また、担い手確保の面からは、産地が真に必要とする人材像や就農までの道筋を明確にした産地提案型の取り組みを強化いたしますとともに、安定した生産と雇用の増加に向けて、法人経営体への誘導などの支援も進めてまいります。こうした取り組みによりまして、本県農業を拡大再生産の流れに乗せていきたいと考えております。
 加えて、本県農業はもとより関連する産業をもう一段力強く成長させるために、次世代型ハウスによる施設園芸団地を核として、関連産業を集積させ、より多くの雇用を生み出す農業クラスターの形成に農業団体や市町村と連携して取り組んでまいります。
 次に、土佐和牛などの飼育数やミシマサイコの栽培面積の減少の要因と課題についてのお尋ねがございました。対応を含めてお答えをいたします。
 まず、土佐和牛では、黒毛和牛は一定増加しましたものの、土佐あかうしはその肉質の評価が高まったことにより繁殖用の雌牛が食用に利用されるなどいたしまして、子牛の生産が減少したことによるものと考えております。こうした事態を受け、土佐あかうしにつきましては、平成26年度から乳牛への受精卵移植、すなわち乳牛のおなかを借りて土佐あかうしを増産するという対策に取り組んでまいりました。その結果、減少を続けておりました飼育頭数が平成27年、ことし11月の調査では増加に転じておりまして、今後こうした取り組みをさらに強化していくことといたしております。
 土佐ジローでは、大規模農家の肉用鶏の増羽計画が地域での調整が整わなかったことで中止となったことや、ひなの供給が十分できなかったことにより飼育農家が減少したことがその要因と考えております。現在は安定的なひなの供給体制が整備をされましたので、今後まだまだ需要が見込まれる卵を県外市場や加工向けに安定して供給できるよう増羽意欲のある若手農家を支援するなど、小規模農家の規模拡大に取り組んでおります。
 土佐はちきん地鶏では、全出荷羽数の約8割を生産する大川村での増羽計画がおくれたことや、またそれに次ぐ生産農家が撤退したことなどが要因と考えております。このため、平成26年度から大川村と県とが一体となって12万羽出荷体制の早期実現に向けて取り組んでいるところでございます。また、新たに室戸市や土佐清水市で規模拡大の取り組みが進んでおりますので、これらを支援いたしますことで出荷羽数15万羽を目指してまいります。
 また、ミシマサイコにつきましては、高齢化などによる離農や品目転換が進む一方で、新規参入者は増加傾向にあります。しかし、安定した収量を上げる生産技術の普及が十分でなかったことから、新規参入者の規模拡大やさらなる新規参入につながらなかったことが減少の要因と考えております。このため、生産技術の向上を目的として平成25年度に県と製薬会社とで共同研究の協定を結び、昨年10月には栽培マニュアルを作成いたしますなど増収技術の普及に努め、一定の成果が見えてきたところでございます。こうした成果をもとに、現在、生産者の規模拡大や新たな生産者の掘り起こしを進めているところですが、今後さらに収量アップへの取り組みを強化し、生産の拡大を図ってまいります。

◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) まず、原木生産の目標未達成の原因と今後の取り組みについてお尋ねがございました。
 議員の御指摘のとおり、本年度の原木生産量は、林業事業体からの聞き取りや木材共販所の取扱数量等から推計いたしますと、現時点では目標には少し届かない見込みとなっています。この原因について林業事業体から聞き取りをいたしますと、機械や作業道が不足しているという声もありますが、どの事業体からも慢性的に労働力の確保に苦労しているというお話をいただきました。機械や作業道については補助金の確保等で対応していくことができますが、担い手の確保については一朝一夕に解決できる課題ではありません。このため、これまで以上に担い手確保の取り組みを強化していくことが必要だと考えています。
 そこで、まず移住促進と連携した担い手確保の取り組みを進めてまいりますとともに、より専門的な人材を育成できるよう林業学校に専攻課程を開講し、全国から多くの人材が集まる魅力あふれる学校としていきます。また、新たな担い手の方々がより参入しやすくなるように、小規模林業に従事しようとする方々への支援を充実させてまいります。加えて、林業事業体の就労条件の改善にも努めてまいります。こうした取り組みを強化していくことで担い手の確保に努め、当面の原木生産目標はもとより、10年後の目標の達成に向けて取り組んでまいります。
 次に、森林計画の策定が進まなかった原因と今後の取り組みについてお尋ねがございました。
 森林経営計画は、一体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業の効率化と森林資源の持続を図ろうとするもので、計画を立てることにより造林補助事業などで、より有利な補助が受けられるなどのメリットがございます。そのため、第2期産業振興計画では、木材の増産計画や県内の森林資源の状況などを考慮して森林経営計画の目標策定面積を15万5,000ヘクタールといたしましたが、御指摘のとおり、結果として平成27年度末で7万2,000ヘクタールの認定見込みとなっています。
 これについては幾つかの要因が考えられますが、現在の林業事業体の労働力では認定されている森林経営計画における間伐等の事業量をこなすことで手いっぱいであり、これ以上は集約化を進め新たな事業地をふやすだけの労働力の余裕がないことが最大の原因でございます。これもまた担い手の確保が課題でございますので、先ほど申し上げましたような担い手確保の取り組みを強化し、原木の増産計画に見合うように市町村と連携し林地の集約化に取り組んでまいります。

◎水産振興部長(松尾晋次君) まず、産業振興計画の水産業分野での成果の要因についてお尋ねがありました。
 水産業分野では、分野を代表する目標として、沿岸漁業生産額370億円以上、水産加工出荷額170億円以上の2つを設定し、若者が住んで稼げる元気な漁村の実現を目指して取り組みを進めております。
 まず、沿岸漁業生産額は、平成25年時点で423億円となっており、目標を大きく上回っております。この要因としましては、養殖業、特に近年本県でも盛んになっておりますクロマグロ養殖が大きく伸びたこと、それや足摺岬沖の定置網漁業が事業承継されたことなどが挙げられます。加えて、中国で需要が高まり取引価格が高騰している宝石サンゴ漁業の生産額も大きく増加しました。一方、水産加工出荷額は、平成25年時点で184億円となっており、この要因としましては、地域アクションプランなどで支援してきました水産加工の出荷額が8億円程度に伸びたことなどが挙げられます。
 第2期産業振興計画の最終年度である本年度の状況を見ましても、沿岸漁業生産につきましては、カツオの不漁など厳しい状況はあるものの、クロマグロ養殖が順調に推移していることや急潮の被害により一時休業していた室戸地区の大型定置網の再開などにより目標は達成できるものと見込んでおります。また水産加工についても、宿毛湾の夏場のブリの前処理加工の拡大などにより、目標は達成できるものと見込んでおります。
 このように、目標の達成が見通せる状況となっておりますが、定置網の再開や加工の拡大などにつながった一番の要因は、漁業関係者や加工事業者、地元市町村と共通認識を持って取り組みを進めることができたことではないかと考えております。今後とも、この点を常に念頭に置いて、目標の達成に向けて着実に計画を実行してまいります。
 次に、クロマグロの人工種苗の生産技術開発に関する成果と今後の課題についてお尋ねがありました。
 クロマグロの人工種苗の生産技術開発には、県内の種苗生産企業と連携して昨年度から本格的に取り組んでおり、本年度は受精卵を安定的に確保するとともに、陸上飼育段階での歩どまりの向上により、昨年度は49尾であった海上への沖出し尾数を1,000尾まで増加させることを目標に取り組みました。その結果、受精卵の確保については昨年より2カ月早い6月上旬に産卵行動を確認し、昨年実績の8倍以上となりますおよそ6,600万粒を採取いたしました。このうちおよそ800万粒を用いて種苗生産試験を実施した結果、海上生けすへ沖出しするまでの陸上施設における生残率は最高で0.1%と昨年の10倍となり、1,000尾以上の稚魚を沖出しすることができました。
 このように、人工種苗の生産技術開発は昨年度と比べて大きく進展しておりますが、さらなる生残率の向上のためには、陸上飼育段階で餌として必要なふ化したばかりのマダイなどを大量かつ安定して確保することが課題となっております。また、海上での中間育成段階におきましては、クロマグロの稚魚の網への衝突といった課題も生じております。
 今後は、県内の種苗生産企業やクロマグロ養殖事業者と連携して、陸上飼育段階での餌を大量に生産する技術の開発や大型生けすなどを用いた中間育成試験に取り組み、早期の実用化につなげてまいりたいと考えております。
 最後に、法人の参画による沿岸漁業の生産体制の強化に向けた取り組み状況についてお尋ねがありました。
 漁業就業者が減少する中で、宗田節などのメジカ加工業の原料不足やブランド化に取り組んできた養殖マダイの生産者の減少などの喫緊の課題が生じております。これらの課題を克服するため、危機感を共有する民間企業などを担い手育成団体として認定し、この団体が研修生を研修期間中雇用することにより計画的に担い手を育成する新たな研修制度をこの10月に創設いたしました。既に11月には研修カリキュラムも作成し、メジカの加工販売を行う企業やマダイのブランド化に漁業者とともに取り組んできた企業、さらには大型定置網漁業を自営しております高知県漁協を担い手育成団体に認定し、大型定置網漁業では12月から2名の研修生が研修を始めたところです。
 また、こうした担い手確保の取り組みに加え、漁業生産のさらなる拡大のためには法人が漁業に参入することも有効と考えられますので、今後は定置網漁業の遊休漁場の活用に向けた法人の参入支援などにより、沿岸漁業の生産体制の強化を図ってまいります。

◎商工労働部長(原田悟君) 事務系職場の集積に向けた企業誘致に関して、これまでの実績と今後の取り組みについてお尋ねがありました。
 議員からお話がありましたように、10月の県内の事務的職業の有効求人倍率は0.26倍と依然低い状態が続いております。このため、近年、本県でも徐々に集積が進んでまいりました事務系職場の誘致をさらに進め、若い方の就職ニーズにも応えられる良質な雇用の場を創出することが大変重要だと考えています。
 県では、市町村との連携のもと、全国トップクラスの支援制度や立地後のきめ細やかなアフターフォローなどを生かし、雇用の吸収力の高いバックオフィスやコールセンターを中心に誘致活動に取り組んでいます。最近では、不動産の掲載物件数が全国ナンバーワンの情報サイトを運営する大手企業のオフィスの誘致につながったところであり、事務系職場の誘致が本格化しましたこの10年間では高知市を中心に15社の立地が実現し、現在、県全体で約800人の雇用が生まれています。
 近年、企業が国内地方拠点を開設するいわゆるニアショアへの志向が高まっておりますことから、本県にとりましても事務系職場の誘致に絶好の機会と捉え、企業立地フェアやコールセンターの見本市などへの出展を強化するとともに、県中心部だけではなく県内各地域に広げていくための助成制度の拡充や、人材の確保・育成の取り組みの充実など、さらなる誘致の環境づくりを図ってまいりたいと考えております。
 今後も、有力な事務系職場の誘致に当たりましては、出会いの段階から立地後のアフターフォローまできめ細かく企業ニーズにお応えすることで、一人でも多くの若者の就職につながりますよう取り組んでまいりたいと考えています。

◎観光振興部長(伊藤博明君) 400万人観光が定着し、リピーターの順調な拡大という好循環につながっている要因についてお尋ねがありました。
 午前中の野町議員の御質問に知事からお答えいたしましたように、第2期産業振興計画では、観光商品をつくる、売る、もてなすといった一連のサイクルを抜本強化し、400万人観光の定着を目標として戦略的に取り組みを進めているところです。
 まず、1つ目の「つくる」では、海洋堂ホビー館や室戸世界ジオパークセンターの整備はもとより、豊かな自然を生かしたアウトドア拠点などの整備計画づくりを進めるとともに、「楽しまんと!はた博」や「高知家・まるごと東部博」といった地域博覧会の開催を通じて、各地域の広域観光組織の機能強化と、官民協働による地域地域の観光資源の磨き上げや商品の造成、情報発信の強化、さらには観光人材の育成にも取り組んだところでございます。
 また、2つ目の「売る」では、観光キャンペーン、リョーマの休日を展開し、官民が連携した旅行会社へのセールス活動に積極的に取り組むとともに、首都圏のマスメディアとの関係を構築し、首都圏を中心に各種メディアで本県が取り上げられるよう情報発信を強化してまいりました。
 さらに、3つ目の「もてなす」では、おもてなしタクシーの増加と利用促進、観光ボランティアガイドの育成などに取り組むとともに、県内を幅広く周遊していただき、リピーター確保にもつながる龍馬パスポートの仕組みを構築しました。加えて、今年度からは外国人観光客の受け入れ体制づくりの抜本強化に取り組んでおります。
 こうしたつくる、売る、もてなすといった一連のサイクルを地域の事業者の方々と市町村、県が一体となって取り組んだことが、400万人観光が定着しつつある大きな要因ではないかと考えております。

◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 移住された方が地域で住み続けていくための体制整備に関する課題と今後の展開についてお尋ねがありました。
 これまでの移住促進の取り組みにより、本県に移住される方は着実に増加をし、それぞれ地域や経済の担い手として活躍をされるなど、成果があらわれ始めていると考えておりますが、その一方で、移住された方へのインタビューや移住後に転出された事例などから、地域で住み続けていただく上での課題も幾つか見えてまいりました。
 その一つは、移住前に抱いていたイメージと移住後の現実とのギャップをいかに小さくするかということでございます。その課題に対しては、移住希望者との最初の接点となる相談窓口において、地域の風習や文化に至るまでさまざまな情報を十分かつ丁寧に提供することが重要だと考えられます。このため、今後さまざまな事例のケーススタディーなどを通じて県や市町村における相談窓口を担当する職員の対応力の向上に取り組んでまいります。加えて来年度は、実際に地域に足を運んでもらい雰囲気や暮らしの実情をあらかじめ体験してもらうツアーやお試し滞在の取り組みを、これまで以上に充実させたいと考えております。
 もう一つの課題は、移住後にいかに地域になじんでもらうかということです。この点につきましては、各地域で移住者の受け入れ機運の醸成を図り、気軽に相談できる場を設けていただくことを含めまして、地域ぐるみでサポートできる体制を整えていくことが必要であると、そのように考えております。そのため、市町村を通じて引き続き地域移住サポーターの確保に努めるとともに、サポーターに限らず民間の移住支援団体や地域の代表者、民生委員の方などを中心に地域全体で温かく受け入れ支える機運をつくっていただけるよう、移住推進協議会などさまざまな機会を捉えまして協力をお願いしてまいります。
 こうした取り組みを民間や市町村の皆様の御協力もいただきながら着実に進めまして、移住者が地域で住み続け、地域や経済の担い手として活躍をしていただけるよう努めてまいります。

◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) 中山間対策について、集落活動センターの動きを加速するための関係者間の合意形成にどのように取り組むのかとのお尋ねがありました。
 集落活動センターの取り組みは、厳しい条件のもとにある集落を維持し、住み続けていくことのできる仕組みづくりを行うものであり、将来のイメージや目指す姿を地域で共有していくことが重要であり、また難しい面でもあります。立ち上げに向けた地域の話し合いでは、なかなか議論が深まらないといったケースもあれば、さまざまな考えをお持ちの方が集い意見を交わしますので、合意を得ることができずに話し合いが中断したケースもあります。また、そうした過程を経て諦めることなく継続して合意形成を図り、開所に至った事例もございます。
 センターを持続可能な仕組みとするためにも、検討初期段階のしっかりした議論は大切ですので、現在県では、地域本部としてのかかわりに加えまして、活発な議論をいざなうファシリテーターの派遣などにより地域ぐるみの話し合いを円滑に進め、深めていけるように支援制度の強化を図っているところです。
 今後は、こうした取り組みに加えまして、それぞれの地域においてより具体的なイメージを持って話し合いを進めていただけるように、成長戦略や地域アクションプランの組み合わさった幾つかのロールモデルを取り組みの手順と一緒にお示しをして、産業部局とも支援チームを組んで地域の合意形成をサポートしてまいりたいと考えております。
 次に、公共交通について、土佐くろしお鉄道中村・宿毛線の今後の方向性と、沿線自治体と協力し具体的にどのように取り組むのかとのお尋ねがありました。
 土佐くろしお鉄道中村・宿毛線は、開業以来、地域の生活路線として、また高知市内や京阪神などとを結ぶ基幹的な公共交通機関として、西南地域の発展に大きな役割を果たしてきております。一方で、沿線人口の減少や高速道路の延伸などの影響で利用者はピーク時の半分にまで減少するなど、長らく厳しい経営状況が続いており、これまで県と関係市町村で経営助成を行ってきております。
 西南地域の活性化のためにも、中村・宿毛線を地域に必要な社会インフラとして支えていく必要があると考えておりますが、将来にわたって維持していくためには、会社の自助努力はもちろんのこと、地域としても官民を挙げてしっかりと守り立てていただく必要があると考えております。県としましては、中村・宿毛線が今後ともその役割を果たしていけますように、関係市町村を初め、関係団体とも連携して利用促進や経営に対する支援などを通して路線の維持・活性化を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、宿毛-佐伯航路の利用促進についてどのような支援が有効であるのか、また航路維持の課題をどのように認識しているのかとのお尋ねがありました。
 宿毛-佐伯航路は本県で唯一のフェリー航路であり、九州との経済活動や観光交流を図る上で重要な航路ですが、フェリー事業を取り巻く環境の厳しさもあって、平成16年の就航再開時から事業面の厳しさが想定されておりました。そのため、県としましては、これまで地元自治体と連携して船舶の購入費用や運航費用に係る経費の一部を支援するほか、トラックや乗用車を対象とした運賃補助も行ってきましたが、事業者側の経営方針もあって、現在ではフェリーの利用促進を直接の目的とした支援はトラックを対象とした運賃補助のみを実施しているところです。
 宿毛-佐伯航路は、船舶の老朽化も進み、八幡浜-臼杵航路など便数の多い航路との競合という課題も抱えております。経営環境的には厳しい状況に置かれておりますが、昨年、高知と大分両県の関係自治体で組織をいたします宿毛佐伯航路利用促進協議会を立ち上げましたので、この協議会を通じて関係団体への利用促進の働きかけなどを行いながら航路の動向を見守っていきたいと考えております。

◎健康政策部長(山本治君) へき地診療所の診療体制、医師の確保についてお尋ねがありました。
 人口の少ないいわゆるへき地におきましても医療の確保は非常に重要でありますが、医師の専門医志向の強まりや勤務環境の厳しさなどもあり、へき地医療に従事する医師の確保は厳しさを増しています。へき地医療に従事する医師の確保に向けては、自治医科大学卒業医師をへき地診療所などに派遣するだけでなく現在勤務いただいている医師への支援が重要であり、へき地医療拠点病院などから診療所に対する外来診療応援や、学会への参加などで休暇が必要な場合の代替医師の派遣、情報システムを活用しての画像診断などの診療支援を行っています。
 とはいえ、余りに受診者数が少なくなった場合には、沖の島診療所や大川村の小松診療所などのように常勤医の配置から、他の医療機関からの週何日かの診療応援や他の医療機関による指定管理者制への移行など、地域での医療提供を確保しつつも一定の見直しを行わざるを得ない状況にあります。
 今後は、へき地医療を担っていただく医師の確保に向け、従前からの自治医科大学卒業医師を中核とする医師確保だけでなく、新専門医制度における総合診療医研修プログラムのカリキュラムの中にへき地診療所を研修機関として組み入れることなどについて、大学や関係機関と検討を進めていきます。あわせて、本県に縁があり地域医療に興味のある医師の招聘などにも、引き続き市町村とともに取り組んでいきます。



◆2番(今城誠司君) 執行部の皆さんには本当に適切な御答弁をありがとうございました。
 以上で私の初めての一般質問を終わります。どうもありがとうございました。